空き家売却ガイド|買取と仲介
空き家の買取と仲介の違い|どちらが手元に多く残るか

空き家を売るとき、「買取」と「仲介」のどちらを選ぶかで、価格も期間も手間も変わります。価格の高さだけで比べると判断を誤ることがあります。費用を差し引いた「手元に残る金額」で比べる方法を説明します。
- 宅建士監修
- 査定・相談無料
- 家財が残ったままでも可
最終更新日:2026年10月10日 / 監修:宅地建物取引士 シュース健人
買取と仲介の違い
買取は、不動産会社が売主から直接買い取る方法です。仲介は、不動産会社が売主から依頼を受けて買主を探し、売買契約をまとめる方法です。主な違いを表にまとめました。
| 比べる点 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 買主 | 不動産会社 | 一般の個人・法人 |
| 価格の目安 | 仲介で売れる見込みの価格より低くなる(差は物件ごとに大きく変わる) | 相場どおりを目指せる |
| 売れるまでの期間 | 条件が合えば数週間〜1か月程度 | 数か月〜1年以上かかることも |
| 仲介手数料 | なし | あり(上限は法律で決まっている) |
| 家財・残置物 | 残したまま引き渡せることが多い | 原則として片付けが必要 |
| 内覧 | なし(現地確認は1〜2回) | 購入希望者ごとに対応 |
| 契約不適合責任 | 免責の特約が一般的 | 免責特約は可能だが買主が限られることも |
| 近所に知られるか | 広告を出さない | 広告で知られる可能性 |
表の内容は一般的な傾向です。立地や建物の状態によって、買取でも相場に近い価格になることや、仲介でもすぐに買主が見つかることがあります。
「手元に残る金額」で比べる

価格だけを比べると、仲介のほうが高いのが普通です。しかし、仲介手数料、片付け費用、売れるまでの固定資産税や管理費、建物の不具合への備えを差し引くと、差は縮まります。
| 項目 | 仲介で売る例 | 買取で売る例 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 1,200万円 | 900万円 |
| 仲介手数料(税込) | −46.2万円 | 0円 |
| 家財の片付け | −50万円 | 0円(残したまま) |
| 売れるまでの維持費(6か月分) | −10万円 | −2万円 |
| 手元に残る金額 | 約1,094万円 | 約898万円 |
この例では、仲介のほうが約200万円多く残る計算です。一方で、売れるまで半年以上かかる、片付けに何度も通えない、建物の傷みが大きく買主との交渉が長引く、といった事情があれば、買取の確実さを選ぶ価値があります。数字は説明のための例で、実際の費用は物件ごとに異なります。
仲介手数料の上限
仲介手数料には、宅地建物取引業法にもとづく上限があります。2024年7月からは、売買代金800万円以下の宅地・建物(低廉な空家等)について、不動産会社が受け取れる報酬の上限が30万円(税込33万円)まで認められるようになりました。この特例を使う場合、不動産会社は媒介契約の際に報酬額を説明し、依頼者の合意を得る必要があります。
| 売買代金 | 仲介手数料の上限(税抜) | 計算例(税込) |
|---|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5% | — |
| 200万円超400万円以下の部分 | 4% | — |
| 400万円を超える部分 | 3% | 1,000万円なら(3%+6万円)×1.1=39.6万円 |
| 800万円以下の宅地建物(低廉な空家等の特例) | 30万円 | 33万円(事前の説明と合意が必要) |
仲介を選ぶ場合の媒介契約

| 種類 | 他社への依頼 | 自分で見つけた買主との契約 | 販売状況の報告 | レインズへの登録 |
|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | できる | できる | 義務なし | 義務なし |
| 専任媒介 | できない | できる | 2週間に1回以上 | 契約から7営業日以内 |
| 専属専任媒介 | できない | できない | 1週間に1回以上 | 契約から5営業日以内 |
専任媒介・専属専任媒介の契約期間は3か月以内です。売り出し価格は、媒介契約の前に根拠となる取引事例を見せてもらい、納得したうえで決めましょう。
買取を選ぶ場合の確認ポイント
- 宅地建物取引業の免許番号と所在地(国土交通省・都道府県の業者検索で確認できます)
- 買取価格の根拠(周辺の取引事例、解体費・修繕費の見込み)
- 契約不適合責任の扱い(免責になるか)
- 残置物を残したまま引き渡せるか、その費用負担
- 手付金の額と、決済(代金の支払い)の時期
- 契約後に価格を下げる条件がついていないか
複数社の買取額を比べるのも一つの方法ですが、金額だけでなく条件の違い(残置物、責任の範囲、決済時期)を同じ基準でそろえて比べることが大切です。
買取で売る場合の流れ
- ご相談・簡易査定:所在地と状況を伺い、取引データから価格帯をお伝えします。
- 現地確認:建物・道路・境界・家財の量を確認します。立ち会いなしでも可能です。
- 買取価格のご提示:価格の根拠と、残置物・責任の範囲・決済日などの条件をご説明します。
- 売買契約:契約書の内容(価格、引き渡し日、残置物、契約不適合責任の扱いなど)を確認し、署名・押印します。手付金を受け取るのが一般的です。
- 決済・引き渡し:残代金を受け取り、司法書士が所有権移転登記を申請します。
相続登記が済んでいない場合は、契約から決済までの間に司法書士が手続きを進めます。決済の日に合わせて、固定資産税の精算や公共料金の解約も行います。
買取価格が仲介より低くなる理由
買取価格が仲介の相場より低くなるのは、買い取った不動産会社が、その後に解体・リフォーム・測量などの費用をかけ、再び売却するまでのリスクを負うためです。売れるまでの期間の固定資産税や借入金の金利、再販時の税金や手数料も見込まれます。
言い換えれば、売主は価格の一部と引き換えに、片付け・修繕・売れ残り・建物の不具合といった手間とリスクを買主に移していることになります。どの程度の差なら納得できるかは、ご家族の事情(急ぎかどうか、遠方かどうか、手間をかけられるか)によって変わります。
買取の契約で確認したい条項
- 契約不適合責任:免責とするか、期間を限定するか。免責でも、知っていて告げなかった不具合は責任を負う可能性があります。
- 残置物:家財を残したまま引き渡せるか、処分費用をどちらが負担するか。
- 手付金と解除:手付金の額と、どの時点まで手付解除ができるか。
- 引き渡しの時期:相続登記や片付けの期間を考えて、無理のない決済日になっているか。
- 境界・測量:境界の明示や測量を売主の負担とするかどうか。
口頭の説明と契約書の内容が違っていないか、署名の前に必ず確認しましょう。分からない条項は、その場で質問して構いません。
こんな空き家はどちらが向いているか
| 空き家の状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 駅に近く、建物も使える状態 | 仲介 |
| 築年数が古く、建物の傷みが大きい | 買取(または仲介で古家付き土地として) |
| 道が狭い・再建築が難しい | 買取、または隣地への打診 |
| 家財が大量に残っていて片付けられない | 買取 |
| 相続税の納付など、売却の期限が決まっている | 買取(期限に間に合わせやすい) |
| 時間に余裕があり、少しでも高く売りたい | 仲介 |
当社は買取と仲介の両方を行っているため、一方に誘導する必要がありません。両方の金額と条件をお出しし、ご家族で選んでいただけます。
よくあるご質問
買取価格はどのように決まりますか?
仲介で売り出してから、途中で買取に切り替えられますか?
買取だと契約不適合責任は一切負いませんか?
このページの監修
シュース健人(宅地建物取引士 大阪府 第118737号/株式会社GEEZ 所属)
株式会社GEEZ所属。大阪・関西の相続、空き家、再建築不可、借地、工場・倉庫、長屋・文化住宅といった売却の難しい不動産の相談を担当しています。
本ページの数値は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」、総務省「住宅・土地統計調査」、国土地理院、OpenStreetMap の公開データを当社が集計したものです。実際の金額は現地確認のうえでご提示します。
大阪市北区の事務所で、宅建士が対応します
大阪空き家買取・売却専門は、大阪府知事免許の不動産会社「株式会社GEEZ」が運営しています。顔の見えない一括査定サイトではありません。


シュース健人宅地建物取引士
大阪府 第118737号。ご相談には宅地建物取引士が責任をもって対応します。
- 宅地建物取引業免許大阪府知事(2)第62068号
- 所在地〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目12-2 オオシマビル6階
- 営業時間10:00〜19:00(水曜日・日曜日定休)
- 所属団体(公社)全日本不動産協会/(公社)不動産保証協会


